ツーストライク・スリーボール

そのうち忘れ去られてしまうと思うので、そうなる前に記憶を残そう。
今世紀初めくらいまで野球中継のアナウンサーは「さあ、九回裏二死満塁、カウントは2ー3(ツー・スリー)」と絶叫していた。球場のスコアボードもテレビの画面もボールカウントはSBО順の表記だった。
メジャーリーグ中継が増え、WBCみたいな国際試合が定期的に行われるようになって、ベースボール流に3ー2(スリー・ツー)と叫ばれるようになり、BSО順に表記されるようになったのだ。

 

日本でSBО順の表記が普及した理由はよくわからないらしい。ただストライクが先に意識されるというのは投手の目線ぽい。ベースボールと「野球」は違うスポーツだという人もいるくらいで、前者が何点とって勝つかを目指し、後者が何点に抑えて勝つかを目指すように進化したと考えるのは、そう不自然でもないだろう。

 

で、ここからは僕の仮説である。

「野球」は沢村栄治投手がベーブ・ルースルー・ゲーリッグを三段ドロップでキリキリ舞い(byピンクレディー「サウス・ポー」)させたことで始まった。そして、もともと豊富にあった剣豪たちの物語という土壌の上に魔球を駆使する投手が主人公のマンガが数多く描かれて人気を博したことで、「野球」は「野球」になったのではないだろうか。サムライ・ジャパンというネーミングにもそんな無意識が反映されてるような気がするのだ。

また、一人の優秀な投手がいれば勝ち進めた昭和の高校野球の人気も無視はできないだろう。

 

キャプテン翼』や『スラムダンク』を持ち出すまでもなく、スポーツの普及におけるポップ・カルチャーの影響は小さくはないはず。だとすれば、研究に値する現象も数多くあると思うのだが。

 

追記

野球のユニフォームのストッキングの部分が忍者っぽいと思って…アメリカに渡った忍者が野球の成立に深く関わるなんて話を創れないかと試行錯誤したのは黒歴史